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Mull Of Kintyre


散策路を歩いていて急に予感がした。何かを見逃したかもしれない。

僕は振り返った。そこには奇妙な形をした石があった。

「なんだ、石か」そう思ったのも束の間、その少し奥に顔が溶けたような狛犬がいた。一対の狛犬がどういうわけか、道端に置かれていたのだ。

むかしタモリが散歩をするときに「叫び」を感じると言った。確か暗渠化された川の叫びのことを言っていたはずだ。それを初めて聞いたときはただ笑っただけだが、いまはその意味が実感できた気がする。


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